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弦楽五重奏曲第5番ニ長調K.593は、ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルトが、1791年12月に35歳で世を去る前年、1790年12月に作曲した弦楽五重奏曲である。 翌年1791年に作曲された第6番変ホ長調K.614と共に、モーツァルト晩年の弦楽五重奏曲として知られる。 ==作曲の経緯== 当時人気が落ちて仕事が無く、生活に困窮していたモーツァルトは、第4番ト短調K.516以来、弦楽五重奏曲としては3年ぶりにこの第5番K.593を作曲した。この曲はモーツァルトが世を去った2年後の1792年にウィーンのアルタリア社から出版された際、楽譜に「ハンガリーの音楽愛好家のために」と記されていたため、ハンガリー人の裕福なヴァイオリン奏者ヨハン・トストに依頼されて作曲したものと考えられている。 ヨハン・トストは、ハイドンの楽団でヴァイオリン奏者を務めたのち商人になった人物で、1788年と1790年にハイドンに計12曲の「トスト四重奏曲」(op.54:3曲、op.55:3曲、op64:6曲)を贈られていることで知られる。 この曲を書いた1790年は、経済的に困窮していたばかりか、健康的にも状況が悪く、演奏会も開けなかったため生涯の中で特に作品の少ない年になってしまった。モーツァルトはこのころあれこれと仕事を探していたためか、あるいは作曲に苦労したせいか、19小節のニ長調の断片(K.追加83)、71小節の変ホ長調の断片(K.追加81)、19小節の変ホ長調の断片(K.追加82)を途中まで書いては放棄している。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「弦楽五重奏曲第5番 (モーツァルト)」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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